聖の青春/大崎善生を読んで~人に影響を与える生き方~

ー手に取った理由ー

自分も将棋を指していたので将棋指しの人生ということで興味を持ちました。聖と書いて「さとし」と読むそうです。最初「ひじり」と読んでました。

映画化されるほどの作品なので良作だろうとおもったのも理由の一つです。

ー著者ー

大崎善生(おおさきよしお)
1957年札幌市生まれ。日本将棋連盟に入り、「将棋マガジン」編集部を経て「将棋世界」の編集長。連盟を退職後は、作家活動に専念している。『聖の青春』(講談社文庫)で新潮学芸賞、将棋ペンクラブ大賞、『将棋の子』(講談社)で講談社ノンフィクション賞、『パイロットフィッシュ』(角川書店)で吉川英治文学新人賞を受賞。(本書より引用)

将棋の子は聞いたことがあります。今度読んでみたいなぁ

-あらすじ-

平成10年8月8日、一人の棋士が死んだ。

村山聖、29歳

将棋界の最高峰であるA級に在籍したままの死であった。村山は幼くしてネフローゼを患い彼の29年は病気との闘いの29年間でもあった。村山は多くの愛に支えられて生きた。肉親の愛、友人の愛、そして師匠の愛。もう一つ村山を支えたものがあったとすればーそれは将棋だった(本書より引用)

ネフローゼという病気のせいで表紙写真のように顔がふくれあがってしまっているようです。

広島の安芸郡府中町というところ出身らしいです。「広島のバチカン」なんて記事がありました。広島市に囲まれているんですね。マツダの本社があるおかげで予算が比較的潤沢なようです

ー全体を通してー

村山聖は魅力的な人物だ。
なぜかというと、夢を持ってそれに向かって一生懸命に活きたからだと思う。
聖のような才能に恵まれる人は多くないだろう。
しかし、聖のような生き方を尊敬し尊いと思うことはできる。
魅力的な生き方は多くの人の記憶に残り、影響を与える。
人は何かに打ち込むことで、輝くことができるのだと感じさせてくれる作品。

ー感想ー

~タイトル通りの青春の描写~

プロになれず奨励会を退会する友人と飲みに行って友人と殴り合うまでの事態に発展する(このとき聖は既にプロ棋士)。
どう考えても聖に責任があると思うのだが、気持ちは何となくわかる。
行動の意味はわからないのだが、そのような行動をする過程は何となくわかるのだ。
形容しがたい悲しみや不安を言葉にならない叫び声をあげて表現するような気持ちだと思う。
それが何かをうまく説明できないのだけれども伝えたい、そんな気持ちだったのではないだろうか。
「聖の青春」というタイトルにふさわしい青春の描写だったと思う。

~明るいことの重要性~

聖は明るく面倒見がよく誰とでも仲良くなっていく、このような性格と目標へ向かう情熱の強さが相まって道が拓け、結果的に多くの人が聖の死を惜しいと思うようになった。
目標を見つけることは難しいけれど明るく振る舞うってことは比較的簡単にできると思う。
本当に明るいことって大切だなと思った(私はなかなかできないけれど)。

~師匠・森の人生が好き~

聖の師匠の森の人生の回想がある。個人的には魅力的に映った。
運が良かった、実力があったと言えばそれまでだ。
しかし、実力は人によるが人生は運の要素も多分にあると思う。
その中で自分ができることを一生懸命にやっている姿、目標を見失ってついつい遊んでしまう姿・世界放浪する姿はなんだか「こういう人生っていいよなぁ」と思えてしまう。
最終的に結婚するのも良い。
幸せになってほしい人だ。

~自分と他人とでは見ている世界が違う~

自分が聖のような見た目(頬が膨らんでたれている)ならばきっとコンプレックスを感じていたに違いない。
しかし聖がそのコンプレックスを感じさせるエピソードがない(多少は感じていたかもしれないが)ばかりか師匠の森からは愛らしい・かわいらしいという印象を受けている。
自分の思う欠点は長所にもなりうるのだ、自分の見ている世界と他人の見ている世界は同じようで全然違うなと感じた。

~ハードカバー版と青空文庫の違いについて~

ハードカバー版にはあった将棋関係の役員だのの理事就任の話がカットされていた。
聖の行動力が描かれている場面なのに…。
結構バッサリ削られてしまうようだ。
同じ本でも微妙にないよう違うみたいだ。
映画を金曜ロードショーなんかで観る感じか。
*広告で紹介する角川文庫版では省略されているかどうか分かりません。

同じ将棋関連の本で、プロになる夢に破れた人たちを描いた「将棋の子」とうい作品もある。

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