ウルトラダラー/手嶋龍を読んで~近未来を描くインテリジェンス小説~

geralt / Pixabay

―手に取った理由―

弟が購入していた書籍。

インテリジェンス小説というジャンルは読んだことがなかったので興味を持った。

―あらすじ―

1968年、東京、若き彫刻職人が失踪した。それが全ての始まりだった。2002年、ダブリン、新種の偽百ドル札が発見される。巧緻を極めた紙幣は「ウルトラ・ダラー」と呼ばれることになった。英国情報部員スティーブン・ブラッドレーは、大いなる謎を追い、世界を駆けめぐる。ハイテク企業の罠、熾烈な諜報戦、そして日本外交の暗闇……。わが国に初めて誕生した、インテリジェンス小説。(本書より)

5章構成で

第1章:偽札事件の導入

第2章:偽札「ウルトラダラー」の出現

第3章:偽札探知

第4章:ミサイル取引現場の差し押さえ(偽札で取引されていた)

第5章:クライマックス

―著者―

手嶋龍一(てしま りゅういち)

1949(昭和24)年、北海道生れ。外交ジャーナリスト・作家。冷戦の終焉にNHKワシントン特派員として立会い、FSX・次期支援戦闘機の開発をめぐる日米の暗闘を描いた『たそがれゆく日米同盟』を発表。続いて湾岸戦争に遭遇して迷走するニッポンの素顔を活写した『外交敗戦』(いずれも新潮文庫)を著し、注目を集める。2001(平成13)年の同時多発テロ事件ではワシントン支局長として11日間にわたる昼夜連続の中継放送を担った。’06年には世界各地に張り巡らした極秘の情報源を駆使して北の独裁国家の謎に挑んだ『ウルトラ・ダラー』を発表。「日々のニュースがこの物語を追いかけている」と出版界に大きな衝撃を与えた(本書より引用)

作者はこれ以降も何作か小説を執筆しているようだ。

―全体を通して―

~インテリジェンス小説は近未来を描く~

佐藤優さんの解説で

優れたインテリジェンス小説は、近未来を描くので、現実の外交に影響を与える

とあり、解説では実際に外国政府等がこの小説に対してアクションを起こしたと書かれている。

一つの小説にそこまでの影響力があるのだろうか。正直読んでいてもどこまで真実か分からない。

しかし、歴史的背景の考察なども含まれていることから完全な想像ではないのだろう。バトルオブブリテン拉致被害者の一部が印刷工だったという事実もあるようだ。

とはいえ、どの程度かは知らないがフィクションも含まれているのだろう。

小説の着想事態は作者が集めた事実関係から生まれたものであると思うので、細部はフィクションだろうが話の大枠部分については当たらずとも遠からずという話なのだろうか。

ドル紙幣関係のメーカーも名称が変更されているみたい。

インターネットで軽く調べただけでは分からなかった。

その他の情報については不明。

すべては確認できない。

主人公や主人公を取り巻く人々の生活態度や言い回しは自分とは縁遠い世界に感じてポカーンだった。

でもこういう陰謀論を聞くのはそんなに嫌いじゃない。

自分とは関係ない世界を垣間見させてくれる小説。

―感想―

ddcnegocios / Pixabay

~最終章での主人公の行動は軽はずみではないだろうか~

優秀な諜報部員と頻繁に称される主人公の行動が軽はずみに感じる。

なんとかして落ちをつけたかったんだろうなという作者の意図を感じる。

~お札を印刷しようとするとブザーが鳴るらしい~

お札を印刷しようとするとブザーが鳴るらしい。実際に動画で検証していた。

どうやってお札とその他の物を識別しているのだろう。

印刷会社の技術力は凄い。

見分け方について日本政府から何か助言を受けているのだろうか。

印刷会社もリーディングカンパニーの存在感は大きいのだなと感じた。

本書でも一時期キヤノンの印刷機が高性能すぎて偽札が作れてしまうので記憶装置の装着を義務づけるよう世界が圧力をかけたことがあると書かれていた。

~日本は世界で2番目に紙幣が偽装されにくいらしい~

日本の技術力ってやっぱり高いんだなと実感。このブログによると金融関係に強いスイスが世界1位らしい。

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