雪煙チェイス/東野圭吾を読んで~設定で読ませる本~

―手に取った理由―

家族が購入していたので読むことにしました。

現在3作の連作となっていて、同一人物が登場します。

1作目が白銀ジャック、2作目が疾風ロンドとなっています。

本作は3作目です。

―あらすじ―

殺人の容疑をかけられた大学生の脇坂竜実。彼のアリバイを証明できる唯一の人物―正体不明の美人スノーボーダーを捜しに、竜実は日本屈指のスキー場に向かった。それを追うのは「本庁より先に捕らえろ」と命じられた所轄の刑事・小杉。村の人々も巻き込み、広大なゲレンデを舞台に予測不能のチェイスが始まる!どんでん返し連続の痛快ノンストップ・サスペンス。(本書より引用)

大学生の容疑者・脇坂は自分のアリバイを証言してくれるスノーボーダーを見つけることができるのか

―著者―

東野 圭吾 (ひがしの けいご)
1958年大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒。1985年、『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。1999年、『秘密』で第52回日本推理作家協会賞を受賞。2006年、『容疑者Xの献身』で第134回直木賞と第6回本格ミステリ大賞を受賞。2008年、『流星の絆』で第43回新風賞を受賞。2012年、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』で第7回中央公論文芸賞を受賞。2013年、『夢幻花』で第26回柴田錬三郎賞を受賞。2014年、『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞 (本書より引用)

―全体を通して―

~設定で読ませる本~

本書のあらすじの内容を丁寧に描いた本。
心理描写もなく淡々と話が進んでいく。
最初の設定が終盤までの大筋として話が進んでいく。
それほど大きなどんでん返しもない。
真相も衝撃を受けるほどのものではなく読んでいてフーンと思う程度。

最初のアリバイ証人を探しに行くところまでは面白かったと思う。
ただ、その後の展開で、アリバイ証人を探す脇坂たちと、それを追う刑事の小杉達の描写を引っ張りすぎているような気がする。

欲を言えばもう一つくらいドラマが進行していてそれが事件に絡んでくればよかったかもしれない。

「白銀ジャック」や「疾風ロンド」の登場人物が描かれているとのことなので前作を読んだことのある人には楽しめるかもしれない。

※後日2作品とも読みました。

前作を読んでいるとより楽しめる内容になっています。

今回、根津と千晶はあまり表舞台に出てきません。

しかし、ちゃんと2人も主要登場人物として描かれています。

作者は雪山の作品が多い気がする。
雪山が好きなのだろうか。

ウィンタースポーツ関係で「カッコウの卵はだれのもの」を思い出した

―感想―

ゲレンデ3作品で代々受け継がれる上司と部下の関係

本作も上司に怒られ、理不尽を押し付けられる部下が主人公。

上司も上司で大変なんだろうが、3作続くのを見てしまうとテンプレだなーと感じるだけになる。

テンプレはなくなってしまったらそれはそれで寂しいので、あっていいと思う。

~事件の規模が小さくなった~

前作と比べて事件の規模が小さくなった。

そのため前作がもっていた一歩間違えばみんな死ぬというような壮大なスケール感が失われている。

この点は少し残念だと思う。

読んでいて違和感はないが、クライマックスに誘導するために少し話を都合の良いものにしているのかなと感じる。
逃亡している脇坂ら2人が本庁の刑事にばれた理由だって、単純すぎる。
脇坂達が気づかなかったといわれればそれまでだが、ここまで用意周到な2人がそんなミスをするのだろうか。

~壮大な雪山が表現されている~

前作同様、雪山独特の事情や警察の権力に頼らない探し物の大変さなどが描かれている。

スキー場で小杉達のように数少ない情報で人探しするのは大変だろうなと思わせてくれる。

―まとめ―

作者の雪山関連の書
雪山を滑ることの楽しさが十二分に描かれている。

サスペンスとして見るよりは娯楽作品として読むことを薦める。

安定して東野圭吾らしさが出ている作品だと思う。

「白銀ジャック」「疾風ロンド」の登場人物が出るらしいのでそれらを読んでいる人にもおすすめできるかもしれない。

※両作とも読みました。3作に共通して登場する根津と千晶の今後が気になる方は読んでみると良いと思います。

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